【スマホで読む・わかりやすい】共通テスト数学IIB2021第2日程【解説・正解・問題】

1 2 3 4 5

第1問 正解

ア 1 イ,ウ -,1 エ,オ -,1
カキ 23 クケ 24 コ 3 サ 3
シ 2 ス 4 セ 7 ソ 4 タ 0
チ,ツ 2,2 テ,ト 2,4 ナニ 11
ヌネ 19 ノハ,ヒ -1,2 フ,ヘ 2,3
ホ 0

〔1〕(1)

$\log_{10}10=1$

・・・ア

$\log_{10}5=\log_{10}\cfrac{10}{2}$
$=\log_{10}10-\log_{10}2$
$=-\log_{10}2+1$

・・・イ,ウ

$\log_{10}{15}=\log_{10}(3\times5)$
$=\log_{10}3+\log_{10}5$
$=-\log_{10}2+\log_{10}3+1$

・・・エ,オ

〔1〕(2)

$\log_{10}15^{20}=20\log_{10}15$
$=20(-\log_{10}2+\log_{10}3+1)$
$=20(-0.3010+0.4771+1)$
$=20\times1.1761$
$=23.522$

したがって

$23<\log_{10}15^{20}<23+1$

・・・カキ

よって,$15^{20}$ は 24 桁の数である。

・・・クケ

(補足) 例えば,300 という数を考えてみよう。これは 3 桁の数である。300 の対数をとると

$\log_{10}300=\log_{10}(3\times10^2)$
$=\log_{10}3+2\log_{10}10$
$=\log_{10}3+2$
$=0.4771+2=2.4771$

したがって

$2<\log_{10}300<3$

が成り立つ。このように,ある数の桁数を調べるには,底を 10 として対数をとり,不等式の右側の値をその数の桁数とすると良い。

(補足終わり)

次に,会話文に注意して

$N\cdot10^{23}<15^{20}<(N+1)\cdot10^{23}$

とする。

(補足) たとえば,250 という数を考えてみよう。この最高位の数字は 2 である。このとき,不等式を作ると

$200<250<300$
$2\cdot10^2<250<3\cdot10^2$

となる。このとき,$N=2$ とすると,$N$ がその数の最高位を表すことが分かる。

(補足終わり)

不等式の左側について対数をとると

$\log_{10}N\cdot10^{23}<\log_{10}15^{20}$
$\log_{10}N\cdot10^{23}<23.522$
$\log_{10}N+\log_{10}10^{23}<23.522$
$\log_{10}N+23<23.522$
$\log_{10}N<0.522$

次に,不等式の右側について対数をとると

$\log_{10}15^{20}<\log_{10}(N+1)\cdot10^{23}$
$23.522<\log_{10}(N+1)+\log_{10}10^{23}$
$23.522<\log_{10}(N+1)+23$
$0.522<\log_{10}(N+1)$

ここで,$\log_{10}4$ を求めると良い。

$\log_{10}4=\log_{10}2^2$
$=2\times0.3010$
$=0.6010$

したがって

$0.4771<0.522<0.6010$
$\log_{10}3<\log_{10}15^{20}-23<\log_{10}(3+1)$

が成り立つので,$15^{20}$ の最高位の数字は 3 である。

・・・コ,サ

〔2〕(1)

P$(\cos\theta,\sin\theta)$
Q$(\cos\alpha,\sin\alpha)$
R$(\cos\beta,\sin\beta)$
$s=\cos\theta+\cos\alpha+\cos\beta$
$t=\sin\theta+\sin\alpha+\sin\beta$

△PQR が正三角形である場合

$\alpha=\theta+\cfrac{2}{3}\pi$,$\beta=\theta=\cfrac{4}{3}\pi$

・・・シス

加法定理より

$\cos\alpha=\cos\Big(\theta+\cfrac{2}{3}\pi\Big)$
$=\cos\theta\cos\cfrac{2}{3}\pi-\sin\theta\sin\cfrac{2}{3}\pi$
$=\cos\theta\cdot\Big(-\cfrac{1}{2}\Big)-\sin\theta\cdot\cfrac{\sqrt{3}}{2}$
$=-\cfrac{\sqrt{3}}{2}\sin\theta-\cfrac{1}{2}\cos\theta$

・・・セ

また

$\sin\alpha=\sin\Big(\theta+\cfrac{2}{3}\pi\Big)$
$=\sin\theta\cos\cfrac{2}{3}\pi+\cos\theta\sin\cfrac{2}{3}\pi$
$=-\cfrac{1}{2}\sin\theta+\cfrac{\sqrt{3}}{2}\cos\theta$

・・・ソ

同様に

$\cos\beta=\cos\Big(\theta+\cfrac{4}{3}\pi\Big)$
$=\cos\theta\cos\cfrac{4}{3}\pi-\sin\theta\sin\cfrac{4}{3}\pi$
$=\cfrac{\sqrt{3}}{2}\sin\theta-\cfrac{1}{2}\cos\theta$

また

$\sin\beta=\sin\Big(\theta+\cfrac{4}{3}\pi\Big)$
$=\sin\theta\cos\cfrac{4}{3}\pi+\cos\theta\sin\cfrac{4}{3}\pi$
$=-\cfrac{1}{2}\sin\theta-\cfrac{\sqrt{3}}{2}\cos\theta$

これらを $s,t$ に代入すると

$s=\cos\theta-\cfrac{\sqrt{3}}{2}\sin\theta-\cfrac{1}{2}\cos\theta+\cfrac{\sqrt{3}}{2}\sin\theta-\cfrac{1}{2}\cos\theta$
$=0$
$t=\sin\theta+\cfrac{1}{2}\sin\theta+\cfrac{\sqrt{3}}{2}\cos\theta-\cfrac{1}{2}\sin\theta-\cfrac{\sqrt{3}}{2}\cos\theta$
$=0$

・・・タ

△PQR が PQ = PR となる二等辺三角形である場合

$\sin\beta=\cos\alpha$,$\cos\beta=\sin\alpha$ より

$s=\cos\cfrac{\pi}{4}+\cos\alpha+\sin\alpha$
$t=\sin\cfrac{\pi}{4}+\sin\alpha+\cos\alpha$

となるので

$s=t=\cfrac{\sqrt{2}}{2}+\sin\alpha+\cos\alpha$

・・・チ,ツ

三角関数の合成より

$\sin\alpha+\cos\alpha=\sqrt{2}\sin\Big(\alpha+\cfrac{\pi}{4}\Big)$

・・・テ,ト

これを式に代入して

$s=t=\cfrac{\sqrt{2}}{2}+\sqrt{2}\sin\Big(\alpha+\cfrac{\pi}{4}\Big)$

問題文より,$s=t=0$ のとき

$\cfrac{\sqrt{2}}{2}+\sqrt{2}\sin\Big(\alpha+\cfrac{\pi}{4}\Big)=0$
$\sqrt{2}\sin\Big(\alpha+\cfrac{\pi}{4}\Big)=-\cfrac{\sqrt{2}}{2}$
$\sin\Big(\alpha+\cfrac{\pi}{4}\Big)=-\cfrac{1}{2}$
$\alpha+\cfrac{\pi}{4}=\cfrac{7}{6}\pi,\cfrac{11}{6}\pi$
$\alpha=\cfrac{11}{12}\pi,\cfrac{19}{12}\pi$

ここで,$\alpha<\cfrac{5}{4}\pi$ だから$\alpha=\cfrac{11}{12}\pi$

・・・ナニ

同様に,$\sin\beta=\cos\alpha$,$\cos\beta=\sin\alpha$ を用いると

$s=\cos\theta+\cos\alpha+\cos\beta$
$=\cfrac{\sqrt{2}}{2}+\sin\beta+\cos\beta$
$t=\sin\theta+\sin\alpha+\sin\beta$
$=\cfrac{\sqrt{2}}{2}+\sin\beta+\cos\beta$

と変形できる。よって,$\beta$ の値を求める式は $\alpha$ のときと同じだから

$\beta=\cfrac{11}{12}\pi,\cfrac{19}{12}\pi$

ここで,$\cfrac{5}{4}\pi<\beta$ だから $\beta=\cfrac{19}{12}\pi$

・・・ヌネ

〔2〕(2)

$s=t=0$ とすると

$s=\cos\theta+\cos\alpha+\cos\beta=0$ より

$\cos\theta=-\cos\alpha-\cos\beta$

また

$t=\sin\theta+\sin\alpha+\sin\beta=0$ より

$\sin\theta=-\sin\alpha-\sin\beta$

となるので

$\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$
$(-\sin\alpha-\sin\beta)^2+(-\cos\alpha-\cos\beta)^2=1$

ここで,計算上の工夫をすると良い。

$(-\sin\alpha-\sin\beta)^2=\{(-1)(\sin\alpha+\sin\beta)\}^2$
$=(-1)^2(\sin\alpha+\sin\beta)^2$
$=(\sin\alpha+\sin\beta)^2$

と変形できる。よって

$(\sin\alpha+\sin\beta)^2+(\cos\alpha+\cos\beta)^2=1$
$\sin^2\alpha+2\sin\alpha\sin\beta+\sin^2\beta+\cos^2\alpha+2\cos\alpha\cos\beta+\cos^2\beta=1$
$2(\sin\alpha\sin\beta+\cos\alpha\cos\beta)+\sin^2\alpha+\cos^2\alpha+\sin^2\beta+\cos^2\beta=1$
$2(\sin\alpha\sin\beta+\cos\alpha\cos\beta)+2=1$
$\sin\alpha\sin\beta+\cos\alpha\cos\beta=\cfrac{-1}{2}$

・・・ノハ,ヒ

また,$\alpha<\beta$ の関係に注意して加法定理を用いると

$\sin\beta\sin\alpha+\cos\beta\cos\alpha=\cfrac{-1}{2}$
$\cos(\beta-\alpha)=\cfrac{-1}{2}$
$\beta-\alpha=\cfrac{2}{3}\pi,\cfrac{4}{3}\pi$

ここで,$\beta-\alpha=\alpha-\theta=\cfrac{4}{3}\pi$
とすると

$\beta=\theta+\cfrac{4}{3}\pi+\cfrac{4}{3}\pi>2\pi$

となるので,不適。

したがって

$\beta-\alpha=\alpha-\theta=\cfrac{2}{3}\pi$

・・・フ,ヘ

〔2〕(3)

これまでの考察を振り返ると,(1)の△PQRが正三角形の場合より,△PQRが正三角形ならば $s=t=0$ である。

また,(2)より,$s=t=0$ ならば $\beta-\alpha=\alpha-\theta=\cfrac{2}{3}\pi$ であり,△PQRは正三角形である。

(1)では△PQRが二等辺三角形の場合も考察したが,$s=t=0$ ならば,

$\theta=\cfrac{\pi}{4}$,$\alpha=\cfrac{11}{12}\pi$,$\beta=\cfrac{19}{12}\pi$ であり,$\beta-\alpha=\alpha-\theta=\cfrac{2}{3}\pi$ となるので,△PQR が正三角形であることと矛盾しない。したがって,$s=t=0$ ならば △PQR は正三角形である。

・・・ホ

問題文

第1問

〔1〕

(1) $\log_{10}10=\boxed{\sf{ア}}$ である。また,$\log_{10}5$,$\log_{10}15$ をそれぞれ $\log_{10}2$ と $\log_{10}3$ を用いて表すと

$\log_{10}5=\boxed{\sf{イ}}\space\log_{10}2+\boxed{\sf{ウ}}$
$\log_{10}15=\boxed{\sf{エ}}\space\log_{10}2+\log_{10}3+\boxed{\sf{オ}}$

となる。 

(2) 太郎さんと花子さんは,$15^{20}$ について話している。

以下では,$\log_{10}2=0.3010$,$\log_{10}3=0.4771$ とする。

太郎:$15^{20}$ は何桁の数だろう。

花子:15 の 20 乗を求めるのは大変だね。$\log_{10}15^{20}$ の整数部分に着目してみようよ。

$\log_{10}15^{20}$ は

$\boxed{\sf{カキ}}<\log_{10}15^{20}<\boxed{\text{カキ}}+1$

を満たす。よって,$15^{20}$ は $\boxed{\sf{クケ}}$ 桁の数である。

太郎:$15^{20}$ の最高位の数字も知りたいね。だけど,$\log_{10}15^{20}$ の整数部分にだけ着目してもわからないな。

花子:$N\cdot10^{\boxed{\text{カキ}}}<15^{20}<(N+1)\cdot10^{\boxed{\text{カキ}}}$ を満たすような正の整数 $N$ に着目してみたらどうかな。

$\log_{10}15^{20}$ の小数部分は $\log_{10}15^{20}-\boxed{\text{カキ}}$ であり

$\log_{10}\boxed{\sf{コ}}<\log_{10}15^{20}-\boxed{\text{カキ}}<\log_{10}(\boxed{\text{コ}}+1)$

が成り立つので,$15^{20}$ の最高位の数字は $\boxed{\sf{サ}}$ である。

〔2〕 座標平面上の原点を中心とする半径 1 の円周上に 3 点 $\text{P}(\cos\theta,\sin\theta)$,$\text{Q}(\cos\alpha,\sin\alpha)$,$\text{R}(\cos\beta,\sin\beta)$ がある。ただし,$0\leqq\theta<\alpha<\beta<2\pi$ とする。このとき,$s$ と $t$ を次のように定める。

$s=\cos\theta+\cos\alpha+\cos\beta$,$t=\sin\theta+\sin\alpha+\sin\beta$

(1) △PQR が正三角形や二等辺三角形のときの $s$ と $t$ の値について考察しよう。

考察1

△PQR が正三角形である場合を考える。

この場合,$\alpha$,$\beta$ を $\theta$ で表すと

$\alpha=\theta+\cfrac{\boxed{\sf{シ}}}{3}\pi$,$\beta=\theta+\cfrac{\boxed{\sf{ス}}}{3}\pi$
であり,加法定理により 

$\cos\alpha=\boxed{\boxed{\sf{セ}}}$,$\sin\alpha=\boxed{\boxed{\sf{ソ}}}$

である。同様に,$\cos\beta$ および $\sin\beta$ を,$\sin\theta$ と $\cos\theta$ を用いて表すことができる。

これらのことから,$s=t=\boxed{\sf{タ}}$ である。

$\boxed{\boxed{\text{セ}}}$,$\boxed{\boxed{\text{ソ}}}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)

⓪ $\cfrac{1}{2}\sin\theta+\cfrac{\sqrt{3}}{2}\cos\theta$
① $\cfrac{\sqrt{3}}{2}\sin\theta+\cfrac{1}{2}\cos\theta$
② $\cfrac{1}{2}\sin\theta-\cfrac{\sqrt{3}}{2}\cos\theta$
③  $\cfrac{\sqrt{3}}{2}\sin\theta-\cfrac{1}{2}\cos\theta$
④ $-\cfrac{1}{2}\sin\theta+\cfrac{\sqrt{3}}{2}\cos\theta$
⑤ $-\cfrac{\sqrt{3}}{2}\sin\theta+\cfrac{1}{2}\cos\theta$
⑥ $-\cfrac{1}{2}\sin\theta-\cfrac{\sqrt{3}}{2}\cos\theta$
⑦ $-\cfrac{\sqrt{3}}{2}\sin\theta-\cfrac{1}{2}\cos\theta$

考察 2

△PQR が PQ = PR となる二等辺三角形である場合を考える。

例えば,点 P が直線 $y=x$ 上にあり,点 Q,R が直線 $y=x$ に関して対称であるときを考える。このとき,$\theta=\cfrac{\pi}{4}$ である。また,$\alpha$ は $\alpha<\cfrac{5}{4}\pi$,$\beta$ は $\cfrac{5}{4}\pi<\beta$ を満たし,点 Q,R の座標について,$\sin\beta=\cos\alpha$,$\cos\beta=\sin\alpha$ が成り立つ。よって

$s=t=\cfrac{\sqrt{\boxed{\sf{チ}}}}{\boxed{\sf{ツ}}}+\sin\alpha+\cos\alpha$

である。 

ここで,三角関数の合成により

$\sin\alpha+\cos\alpha=\sqrt{\boxed{\sf{テ}}}\sin\Big(\alpha+\cfrac{\pi}{\boxed{\sf{ト}}}\Big)$

である。したがって

$\alpha=\cfrac{\boxed{\sf{ナニ}}}{12}\pi$,$\beta=\cfrac{\boxed{\sf{ヌネ}}}{12}\pi$

のとき,$s=t=0$ である。 

(2) 次に,$s$ と $t$ の値を定めたときの $\theta$,$\alpha$,$\beta$ の関係について考察しよう。 

考察3

$s=t=0$ の場合を考える。 

この場合,$\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$ により,$\alpha$ と $\beta$ について考えると

$\cos\alpha\cos\beta+\sin\alpha\sin\beta=\cfrac{\boxed{\sf{ノハ}}}{\boxed{\sf{ヒ}}}$

である。 

同様に,$\theta$ と $\alpha$ について考えると

$\cos\theta\cos\alpha+\sin\theta\sin\alpha=\cfrac{\boxed{\text{ノハ}}}{\boxed{\text{ヒ}}}$

であるから,$\theta$,$\alpha$,$\beta$ の範囲に注意すると

$\beta-\alpha=\alpha-\theta=\cfrac{\boxed{\sf{フ}}}{\boxed{\sf{ヘ}}}\pi$

という関係が得られる。 

(3) これまでの考察を振り返ると,次の⓪~③のうち,正しいものは $\boxed{\boxed{\sf{ホ}}}$ であることがわかる。

$\boxed{\boxed{\text{ホ}}}$ の解答群

⓪ △PQR が正三角形ならば $s=t=0$ であり,$s=t=0$ ならば △PQR は正三角形である。
① △PQR が正三角形ならば $s=t=0$ であるが,$s=t=0$ であっても △PQR が正三角形でない場合がある。
② △PQR が正三角形であっても $s=t=0$ でない場合があるが,$s=t=0$ ならば △PQR は正三角形である。
③ △PQR が正三角形であっても $s=t=0$ でない場合があり,$s=t=0$ であっても △PQR が正三角形でない場合がある。

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