【数IA確率】サイコロ3つで3ケタの数字を作る(北海道大2018文系第3問)
赤色,青色,黄色のサイコロが 1 つずつある。この 3 つのサイコロを同時に投げる。赤色,青色,黄色のサイコロの出た目をそれぞれ $R,B,Y$ とし,自然数 $s,t,u$ を $s=100R+10B+Y$,$t=100B+10Y+R$,$u=100Y+10R+B$ で定める。
(1) $s,t,u$ のうち少なくとも 2 つが 500 以上となる確率を求めよ。
(2) $s>t>u$ となる確率を求めよ。
(北海道大2018)
反復試行の確率
(1)から考えます。
500 以上となる場合とは,たとえば,$s=100R+10B+Y$ なら,$R$ が 5 か 6 であれば,$B,Y$ の値に関係なく 500 以上になります。
$s,t,u$ をそれぞれ考えてみると,結局 3 つのサイコロのうち,少なくとも 2 つが 5 か 6 であれば,条件を満たすことになります。
そこで,サイコロ 2 個が 5 か 6 の場合と,3 個すべてが 5 か 6 の場合を考えれば良さそうです。
(i) 5 または 6 が 2 個のとき
残りの 1 個は 1 から 4 のいずれかが出る。
5 または 6 が出る確率は $\cfrac{2}{6}=\cfrac{1}{3}$
1 から 4 のいずれかが出る確率は
$\cfrac{4}{6}=\cfrac{2}{3}$
$\cfrac{1}{3}\times\cfrac{1}{3}\times\cfrac{2}{3}$ では,$R,B$ が 5 か 6 で,$Y$ が 1 から 4 のいずれか,という解釈になります。しかし,$R,Y$ が 5 か 6 で, $B$ が 1 から 4 のいずれか,というパターンもあるはずです。
このようなとき,反復試行の確率を学んだことを思い出しましょう。
反復試行の確率
$_nC_r p^r(1-p)^{n-r}$
これを用いると,確率は
$_3C_1\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^2\Big(\cfrac{2}{3}\Big)^1$
$_3C_1=3$ ですが,これは
<1~4>(5か6)(5か6)
(5か6)<1~4>(5か6)
(5か6)(5か6)<1~4>
の 3 通りがあるという意味です。
したがって
$_3C_1\Big(\cfrac{1}{3}\Big)^2\Big(\cfrac{2}{3}\Big)^1$
$=\cfrac{3\cdot1\cdot2}{27}=\cfrac{2}{9}$
(ii) 5 または 6 が 3 個のとき
$\Big(\cfrac{2}{6}\Big)^3=\cfrac{1}{27}$
したがって
$\cfrac{2}{9}+\cfrac{1}{27}=\cfrac{7}{27}$ (答え)
不等式に当てはまる値を考える
(2)に進みます。
$s>t>u$ のままでは,話がまとまらないので,$s>t$ かつ $t>u$ と分解して考えます。
$s>t$
$100R+10B+Y>100B+10Y+R$
式を整理します。
$99R-90B-9Y>0$
$11R-10B-Y>0$
このままだと,$R,B,Y$ の関係がつかめないので,調整します。
$11R>10B+Y$
また
$t>u$
$100B+10Y+R>100Y+10R+B$
$99B-90Y-9R>0$
$11B-10Y-R>0$
$11B-10Y>R$
よって
$11R>10B+Y$ かつ
$11B-10Y>R$
が条件です。
ここからは,いわば頭の体操です。$R$ を基準にして,当てはまる $B,Y$ を考えてみます。
(i) $R=1$ のとき
$11R>10B+Y$ より
$11>10B+Y$
$10B+Y$ は 11 以上の数になるはずです。つまり,当てはまる $B,Y$ は存在しません。
(ii) $R=2$ のとき
$22>10B+Y$
右辺の条件は 21 以下です。今回はサイコロの問題なので,使える数が 1 から 6 の間であることを考えると,当てはまる数がいくつか存在します。
しかしながら,ここでもう一つの条件を同時に考える必要があります。
$11B-10Y>R$ より
$11B-10Y>2$
21以下という条件から $B$ は 1 か 2 です。
$B$ が 1 のとき
$11-10Y>2$
となり,これに当てはまる $Y$ は存在しません。
$B$ が 2 のとき
$22-10Y>2$
今度は,$Y=1$ のみ,条件に当てはまります。
よって,条件を満たすのは
$(B,Y)=(2,1)$ の 1 通り
(iii) $R=3$ のとき
$33>10B+Y$ かつ
$11B-10Y>3$
1 つ目の条件から $10B+Y$ は 32 以下です。これと,2 つ目の条件を合わせて考えると
$B=1$ のとき
$11-10Y>3$ となり,当てはまる $Y$ は存在しない。
$B=2$ のとき
$22-10Y>3$ となり,$Y=1$ が当てはまる。
$B=3$ のとき
$33-10Y>3$ となり,$Y=1,2$ が当てはまる。
よって
$(B,Y)=(2,1),(3,1),(3,2)$ の 3 通り
同じ作業を繰り返していくと,このようになります。
(iv) $R=4$ のとき
$(B,Y)=(2,1),(3,1),(3,2),(4,1),(4,2),(4,3)$ の 6 通り
(v) $R=5$ のとき
$(B,Y)=(2,1),(3,1),(3,2),(4,1),(4,2),(4,3),(5,1),(5,2),(5,3),(5,4)$ の 10 通り
(vi) $R=6$ のとき
$(B,Y)=(2,1),(3,1),(3,2),(4,1),(4,2),(4,3),(5,1),(5,2),(5,3),(5,4),(6,1),(6,2),(6,3),(6,4),(6,5)$ の 15 通り
したがって
$\cfrac{1+3+6+10+15}{6^3}=\cfrac{35}{216}$ (答え)
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