氷河期の原因は宇宙からの塵 4億年前の太陽系に何が起こったか?

地球には宇宙から絶えず隕石や小さな塵が降り注いでいます。6500万年前に巨大な隕石が地球に衝突したとき、恐竜は絶滅し氷河期が訪れたことは知られていますが、およそ4億年前にも宇宙からの飛来物によって氷河期が引き起こされていたことが明らかになってきました。

”地球の気候が4億6600万年前に寒冷化したことはすでに知られていた。基本的に、塵による遮断効果によって地表に届く日光が部分的に止まり、氷河期が始まった。「私たちの研究結果は、そのような塵が時おり地球を著しく冷却したことを初めて示しています。」と研究の指導者であるルンド大学の地質学教授ビルガー・シュミッツは言います。”

飛来する塵が増えたことで氷河期が引き起こされた

普段、大気中の塵のうち宇宙から来たものは1%程度で気候に影響を与えることはありません。しかし何らかの原因で大量の塵が地球に飛来すると寒冷化が進むと考えられています。

宇宙からくる隕石の多くは火星と木星の間にある小惑星帯から飛来します。およそ4億年前、直径150キロほどの小惑星が粉々になる出来事が起こりました。その結果、太陽系の塵の量が増大し地球に降り注ぐようになったのです。そうは言っても恐竜絶滅のときと異なり、塵は長い時間をかけて少しずつ降り続けたため、およそ200万年の時間をかけてゆっくりと寒冷化したと考えられています。

地球温暖化が進む中、過去に起こった寒冷化のプロセスを解明することで温暖化を食い止める方法の発見につながることが期待されています。